You are running an unsupported version of Internet Explorer. Please upgrade.

新たなWANOリーダーシッププログラムを開拓するパリセンターの取り組み


Paris Centre piloting the new range of WANO leadership programmesWANOの2015-2019年の長期計画、COMPASSの主な要素のひとつは、プラント所長、上級管理職及び当直課長のリーダーシップ技能を向上させることである。多くの要改善領域(AFI)及びプラント性能の課題が、不十分な水準のリーダーシップに関連していることについて理解が深まったことにより、この重要な要素に焦点が当てられた。

確かに、新規発電所の運転開始前のレビューにおいて、特に当直チームでの気付き事項として、リーダーシップが低い水準にあることが何度か指摘されてきた。多くの重大事象についてのレビューの結果、根本原因の多くがリーダーシップに関連した問題に起因することがわかっている。

よりプラスの側面では、リーダーシップの開発に出資してきた電力会社数社が集めたエビデンスによって、強力なリーダーシップの重要性が裏付けられており、その後、プラントの性能、出力及び原子力安全に顕著な改善が見られた。

リーダーシップに対する新たな取り組みを実行するため、WANOロンドン事務所は、4ヶ所のWANO地域センター及び産業界全体で戦略開発のための上級代表者運営委員会に携わってきた、原子力リーダーシップのプログラムマネージャー、Ian Moss氏を採用した。同氏は現在、WANO地域センターの主要メンターとともに、ニーズ分析及び新たな領域のリーダーシップ開発プログラムの設計に取り組んでいる。Ian氏と並んで、Karen Goovaerts氏もパリセンターのリーダーシップ・イニシアチブを率いている。

3つの新たなリーダーシッププログラムが戦略の柱となるほか、このプログラムを成功に導くために必要な要素が他にもいくつかある。WANOは現在、原子力リーダーのふるまいに関する枠組みを設定しておらず、文書を裏付ける適切なリーダーシップガイドラインやグッドプラクティスが定められていない。一方で、ピアレビュー評価者は必ずしも、リーダーシップの欠点を容易に見分けられるようなトレーニングや経験を積んでいるとは言えない。さらには、WANOメンバー間でも、強いリーダーシップは優れたプラント性能と同義語であり、そのためマーケティング及び教育のプログラムが必要であるというコンセンサスが欠けている。

WANOは先ず、現行のWANOパリセンター・リーダーシッププログラムを改善して、5日間の原子力リーダーシップセミナーを開催する。リーダーシップ開発及び神経科学における最新の技術を取り入れるべく、ニーズ分析及びプログラムの再設計の作業にすでに着手した一方、原子力産業界特有のニーズにも引き続き取り組んでいる。新しいプログラムは、多様なWANOメンバーの様々な文化的側面も考慮する。

WANOは、プログラムを成功させているメンバーの一部に対して、他のメンバー組織と成果を共有するよう奨励している。そのようなイニシアチブのひとつが、EDFエネルギーとオンタリオ・パワージェネレーションとの連携によって、高い評価を得た両者の上級原子力プラントプログラム(SNPM)を欧州へと展開する取り組みである。知識の共有の合理化を手助けするため、WANOはWANOインターフェース事務所(WIO)に対して、これらのプログラムをそれぞれの電力会社に推奨するよう働きかけている。

WANOが提供するサービスのポートフォリオ全体で、リーダーシップに関する統合された新たなビジョンが採用されるよう、WANOはメンバーサポートと支援訪問のサービスを連携させて、技術的なパフォーマンス上の問題の裏にあるかもしれないリーダーシップの課題に焦点を当てたいと考えている。