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秦山原子力発電所はエクセレンス達成のため、より強力なパフォーマンスモニタリングを実施した草分け的存在


秦山原子力発電所/CNNOゼネラルマネージャーアシスタントのZhaohong YAO氏へのインタビュー   

1. なぜAction for Excellenceのパイロットプラントになろうと考えたのですか?
 
中国核電運行管理(CNNO)は、秦山原子力発電所においてより安全な原子力発電所の運転を目指して常に改善を行っています。WANO PIも網羅したパフォーマンス指標システムを社内で策定しました。 しかしながら、海外のベストプラクティスのベンチマーキングをする際、その範囲は比較的狭く、詳細に欠けるものでした。
 
「より強力なパフォーマンスモニタリング(ePM)」のパイロット版では、WANOパフォーマンス指標の数と範囲を拡大し、パフォーマンスを分析・予測する方法を示しました。これにより、秦山ではすべてのパフォーマンス低下を検知し、以前よりもずっと迅速に是正措置を実施できるようになります。 世界の業界全体を代表するパイロットプラントとなることで、AfEを成功に導くことができます。
 
2.パイロットプラントとしての主な目標は何ですか?
 
全体的な目標は、世界中の優れたパフォーマンスモニタリング慣行を学び、採用することで、プラントのパフォーマンスを継続的に改善することです。このパイロットにおけるその他の目標として以下が挙げられます。
 

  • ePM指標の目的と計算方法を理解する。
  • 秦山でのパイロット経験をWANOにフィードバックして、ePM指標の定義と計算の改善に貢献する。
  • パフォーマンスを分析し、予測する手法について学ぶ。
 
3.パイロットはどのように進みましたか?どのような活動を実施したのですか?
 
達成した主なマイルストーンは以下のとおりです。
 
  • 上級管理層が主導し、全部門が関与するePMワーキンググループを設置。
  • 過去指標の計算を試験的に行い、その際に生じた質問をWANOにフィードバック。WANOから説明と提言を受けるとともに、WANOに提案書を提出。
  • ePMマニュアルを中国語で作成。これには指標の定義、基本データ、計算方法、注意事項、例、その他の情報が含まれる。パイロットでの結果をまとめる際、ePMマニュアルをバージョン0からバージョン2まで改訂。
  • 基本データ集とePM指標の計算結果をエクセルシートに作成。作業量を減らすために、基本的なePMデータを毎月収集し、データやダッシュボードのステータスから指標を自動で計算するツールを構築。
  • 2セットのePM指標をWANOに提出(2021年Q2、Q3)。
  • 2022年7月19~22日、WANOチームが初めて秦山原子力発電所(2号機)を訪問。WANO・秦山の両チームがデータの正確性を確認し、計算手法と指標結果を一つひとつ検証。いくつかの指標データの定義が不明確で、WERにおいて不適切なタグがあることが判明。これらのデータに対処する具体的な方法については、訪問中に合意。秦山2号機は追跡とさらなる分析のためコンディション・レポート(CR)を発行。WANO訪問終了後、ePMマニュアルと基本データ収集・計算シートを改訂。

 
4.パイロットには発電所のどの機能分野がどのように参加したのですか?
 
ePMワーキンググループには、運転、発電計画、保修、定検管理、エンジニアリング、訓練、原子力安全、ヒューマンリソースといった複数部門の専門家が参加しています。原子力安全分野のコーディネーターがePMワーキンググループの全体的な調整を担当しています。
 
 
5.パイロットで学んだことは何ですか?どのようなメリットがありましたか?
 
パイロットでは、管理上の優先順位付けが不十分であったことによる不足をいくつか特定することができました。具体的には、シミュレータにプラント改造を反映するまでの時間が基準よりも長い(OR-3.7)、プラントはエンジニアリング人員に対する訓練の観察を明確に要求していない(OR-3.3)などです。発電所の人員がこういった弱点に対処しているところです。
 
6.パイロットにおいて未だ完了していない活動は何ですか?いつ完了しますか?
 
秦山2号機では、2022年第2四半期にePM指標を社内で使用しているパフォーマンス指標システムに組み込む予定です。 2022年4月にはパイロット結果をまとめるためのミーティングがサイトで開かれる予定です。