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成功を導く文化の醸成


Bruce Power 社エグゼクティブ・バイス・プレジデント兼CNOChris Mudrick氏がInside WANOに語る


ブルース・パワー社(所在地:カナダ、オンタリオ州ブルース郡)は、8基の原子炉を運転し、世界最大規模の発電所を所有する企業です。原子炉は8基とも加圧重水炉(PHWR)で、各号機の出力は786MWから891MW、8基合計の最大出力は6,550MWになります。オンタリオ州の全エネルギー消費量の約3割に当たる電力を同発電所が供給しています。ブルース・パワー社の正規雇用の従業員数は約4,000人です。現在はその他に3,000人の協力会社従業員が現場で働いており、ブルース郡で最大の雇用主、オンタリオ州とカナダにとって最大級の建設現場になっています。

また、「プロジェクト2030」の下で、ピーク出力増強計画にも取り組んでいます。8基のうち6基のMCR プロセスを完了するまでに、同発電所の出力は発電効率向上により500 MW増強し、2030年までに総出力が7,000MWに達します。これはサイトに新しい原子炉が1基追加されたのと同等の出力量です。
エクセレンス達成の重要な要素は、継続的改善を絶えず重視し、向上のための方法を探すことです。エクセレンスは、組織が上位から下位に至るまで絶え間なく、事業の各側面で継続的に改善を追求する時に表れます。

エクセレンスは以下に表れています。
  • 現場の作業員が自分たちの仕事に誇りを持ち、仕事を進めやすくするための工夫をしている。予期せぬ状況に直面した時は基本知識とヒューマンパフォーマンスツールを利用して、適切にフォローアップし、今後の状況改善のために監督者と協力して仕事をしている。
  • 標準からの逸脱を許さないという意識をマネージャーがチームに浸透させ、チームが期待されるエクセレンス標準のパフォーマンスを実現できるよう常にチームへのコーチングを心がけている。
  • 発電所のリーダーが信頼関係を醸成し、欠点を積極的に正し、欠陥の検知・予防に向けて内外のOPEX を利用する体制が整っている。組織がチームの作業成果を組織の未来に結び付けられるようリーダーが貢献している。
  • 会社組織として、当社は、ガバナンスと支援体制を構築し、長い間変わらない慣習や規範に疑問を挟み、業界の標準との整合を図り、孤立しないように努めている。
  • 当社は健全な独立組織を築いている 。
当社のパフォーマンス推進を導いた主なステップとして私が取り上げたいのは以下の項目です。
  • サイト全体が共通のビジョン、価値観、ツール、行動に従って連携している
  • エクセレンスにフォーカスする
  • マンネリ化したパフォーマンスを容認しない姿勢を浸透させる
  • 会社のモニタリングと監視機能を強化する
 
ブルース・パワー社には、組織の有効性を全体像で示し、安全で信頼性のある運転を通じて、会社としていかにエクセレンスを達成し、成果も上げるかを説明するワンエクセレンス・モデルがあり、このモデルの下で会社の連携が図られています。

会社として、ブルース・パワー社でのエクセレンスとはどのようなものなのかを全員が理解することが重要です。それはつまり、「安全で信頼できる確実な未来」という当社の追い求めるビジネス成果の実現を目指して、会社の従業員一人ひとりが自社のツールを用い、自分たちの行動に示しながら、共通の価値観に従った生き方をすることを意味します。また、最新の行動を実践し、標準化されたアカウンタビリティモデルを使用することで、当社の「頼りになる人になる」というコミットメントをさらに強化しています。当社では組織の以下の側面を向上させることに目を向けています。

標準:影響が低いと判断した場合、従業員が標準を遵守しないことがあり、それが引き続き課題となっています。当社ではサイト全体の計画を通じてこの課題に取り組んでいます。

人材: 自立した組織では、パフォーマンスの高い個人の貢献者と内部のリーダーがエクセレンスのイメージを正しく描き、能力を高め、上級職を進んで引き受ける必要があります。

持続可能性: 1基または複数基の改修工事が始まっているため、改修工事を進める一方で、残りの6基または7基を高い出力で運転させることになります。

イノベーション: 常にトップの地位を維持するためには従業員とリーダーが高い価値の仕事に集中し、価値の低い仕事を自動化することによりパフォーマンスの改善を実現できなければなりません。