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より良いパフォーマンスを発揮するには、各サイトのWANO発電所担当者が重要


アルメニア原子力発電所の2号機は1980年に運転を開始しましたが、近代化を行って2026年までの長期間にわたり運転することになっています。そこからさらに、同機の運転期間を2036年まで延長しようと計画しています。

Sergey Kenjetsyan氏はWANO発電所担当者として私たちとともに働いてくれています。そのため、Kenjetsya氏は発電所への出入りと管理層チームとのやり取りがいつでも可能となっています。WANOモスクワセンターマネージャーの直属である一方、プラントの上級マネージャーも彼に対してサポートを依頼し、得ることもできます。このような発電所担当者は、発電所から独立した存在でいられるのでしょうか?そうであると言えます。

発電所担当者には、独立した意見を発することができます。そして、発電所はそのような意見を認めることもあれば、反対することもあります。1つ、確かなことがあります。それは、発電所担当者は検査官ではなくパートナーであり、協力の精神の下、プラントがWANOミッションを達成することができるようサポートしてくれる存在であるということです。

WANO発電所担当者が来てから、発電所にどのような変化があったでしょうか? まず、プラントとWANOとの間での相互交流が以前よりも頻繁になりました。これには、ピアレビュー、支援ミッション、セミナー、プラントで開催されるワークショップなどがあります。

次は、発電所におけるWANO発電所担当者の業務です。例えば、

•    発電所とWANOの間で実施されたあらゆる相互交流の結果分析が挙げられます。WANOパフォーマンス指標の分析は、私たちにとって特に関心事です。他の発電所と比較することで、自分たちが一体どのような立ち位置にいるのかが理解でき、エクセレンスに対するギャップの原因やこれを是正するための方法を特定しやすくなります。

•    対象を絞った観察も、多くのメリットがあります。発電所担当者は管理層に対し特定した問題の分析結果、問題の詳細、問題を裏付ける事実、原因および寄与要因を説明します。さらに、こういった問題を解消するための推奨事項も提案します。

•    発電所担当者がプラントのセルフアセスメントや監査にも直接参加し、結果を分析することも多くあります。

•    プラントパフォーマンスモニタリングの結果は四半期ごとの相互交流報告書内にまとめ、プラント管理層に提出されます。

毎年、プラントはデータのカテゴリ分けを行います。これは、WANO発電所担当者が実施します。カテゴリ分けの結果に基づいて相互交流や支援のレベルを決定し、WANO発電所担当者はプラントの安全性と信頼性を継続的に改善するための活動を記した2カ年の相互交流計画を策定します。

発電所担当者はプラントで実施される全てのWANO主催イベントの準備・調整に参加します。 また、WANO運転経験資料、他の原子力発電所のガイドラインや良好事例の普及を促進するほか、プラントの訓練プロセスに参加したり、ピアレビューに向けて専門家を用意したりもします。

最後に、グルーバル規模の改善イニシアチブであるAction for Excellenceが開始された際、アルメニア原子力発電所は「より強力なパフォーマンスモニタリング(ePM)」、「組織診断」のパイロットテストに参加しました。その結果、WANO発電所担当者が常にプラントにいることのメリットが明確になりました。モスクワセンターと発電所の間に立って、パイロットプロセス全体の実施を調整してくれたのです。

パイロットテストの後、WANO発電所担当者はモニタリングが十分に実施されるよう、ePMチームリーダーとしての役割も果たしてくれました。プラントのパフォーマンスを評価し、プラントにWANOからの支援を提供する上で、現在、彼はePMチーム全体に対する連絡窓口となっています。 彼のプラントでの役割には感謝しています。彼の仕事が認められ、今年、彼はモスクワセンターで最も優れたメンバーとして表彰されました。

結論として、エクセレンス達成までの道のりは長く、絶えず続いていくものです。多大な労力が必要です。重要な成功因子は、プラントに原子力専門家のチームが存在すること、そして世界中のWANO関係者から支援を受けることです。そして、エクセレンスに向けてWANOとプラントを結びつける主な役割を担うのは、WANO発電所担当者なのです。

本記事は、先日京都で開催された所長会議でのArtur Grigoryan氏のスピーチを元にしています。