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原子力業界の将来を方向づける


ケイティー・ベイリー、上席コミュニケーション担当、WANO

Colonel Chris Hadfield, Astronaut and first Canadian Commander of the International Space Station opened the BGM with a captivating keynote presentation

WANO第13回隔年総会(BGM)が、2015年10月4日から7日にわたって、カナダのトロント市にあるウェスティン ハーバー キャッスル ホテル&会議センターで開催された。このBGMはWANOの会員たちが一同に会し、原子力安全への誓いを再確認する大事な場である。

退任するWANO総裁でブルース電力の社長であるダンカン・ホーソーン氏が450名の会議への参加者を歓迎した。今年の会議のテーマは、原子力業界の将来を方向づけるであった。

宇宙飛行士でカナダ人として初めて国際宇宙ステーションの指揮官を務めたクリス・ハドフィールド大佐が、BGMの開会にあたり心をつかむ基調講演を行った。感動的な講演は参加者たちに世界の宇宙産業に対する素晴らしい洞察を与え、それをリスク認知の重要性や強力な緊急時対応の確立、チームへの全幅の信頼を含めて原子力業界にあてはめて考えさせた。これらは原子力業界にとって最優先事項であり続けなければならない課題でありトピックスである。

ジャック・レガルドWANO議長の歓迎の辞(Editorial(論説)を参照)に続いて、ケン・エリスWANO CEOがWANOの主要な活動指標、ポスト福島委員会(PFC)プロジェクトの最新状況を説明するとともに、WANOの新長期計画、コンパス、の詳しい紹介を行った。プレゼンテーションの後、12のPFCプロジェクトとコンパスの概要を含んだWANOレビュー2015の冊子が参加者に配られた。またこれはWANOのウェブサイトにも掲載された。

最初のパネルセッションは、オンタリオ電力の前社長であるトーマス・ミッチェル氏が進行役となって、新しい原子力界におけるWANOの役割が明らかにされた。このセッションでは、世界の原子力の伸びと新規参入者について議論するとともに、大規模な原子力発電所群を抱える会員やより小規模な組織の会員の立場からWANOの会員として直面する課題が明らかにされた。

2015年WANO BGM会員による新総裁選出の投票を行うため、初日の最後に特別総会(EGM)が開催された。総裁は通常2年任期で交替になる。韓国水力原子力発電会社の社長、Dr ソッ・チョーがダンカン・ホーソーン氏を引き継いでWANO総裁に就任した。

BGMの2日目は、千種直樹WANO東京センター事務局長が進行役を務めた現在および将来の課題に関する規制者パネルで始まった。このセッションでは、原子力業界に対する規制側の見方に焦点があてられ、これから先に直面する課題について議論された

3つ目のパネルセッション、若年層専門家の原子力業界への一体化、では若年層専門家から見た課題や電力会社がどのようにして若年層を惹きつけ、育成しているか、そしてその分野におけるWANOの役割が議論された。このセッションはラジスラフ・ステパネク CEZ運転担当役員兼モスクワセンター理事会副議長が進行役となり、WANO初の原子力安全奨学金受賞者の発表も行われた。受賞者については、本号のPeople Story(人の話題)を参照ください。

最後のセッション、既存炉の将来、は、ペドロ・フィゲイレド  パリセンター理事会議長兼エレクトロニュークリア社運転担当役員・原子力最高責任者が進行役を務めた。このセッションでは、プラント設備の更新、プラント寿命延長、運転最終段階における安全性維持について議論された。

ジャック・レガルド氏がWANO議長として閉会の辞を述べた。その中で彼はこう語った、"26年間が経過する中で、我々はともに働き、様々な国と文化の数多くの組織と関わることにより進歩できることを示すことができた。我々は、他の何にもまして原子力安全を高めるための我々の主体性、我々の誓い、そして我々の意思を示すことができた。"2015年WANO BGM

WANO総裁の退任の挨拶のなかで、ダンカン・ホーソーン氏はWANOを家族に例えてこう語った;年上の者は年下の者を助けます、そっくりなのは家族のメンバーのなかで経験や最高の事例を常に共有することです。ダンカン氏が見るところでは、"家族の中には壁はないし、誰も置いてきぼりにされない。我々はいつも我々の家族のために、家族の一人ひとりのために最高のものを望んでいます。"

新たに選出されたWANO総裁、Dr ソッ・チョーが新総裁としての挨拶を行い、今回のBGMの幕を閉じた。その内容は本号のFrom the Top (トップから)に紹介されている。彼は、WANOと原子力業界の将来に対する彼のビジョンを語り、引き続き世界中のWANOの会員からの支援を求めた。Dr.チョーはまた、WANO会員を次回のBGMへ招待する言葉もかけた。次回のBGMはKHNPと 東京センター主催で韓国の慶州で2017年10月に開催される。

 脚注:すべての議題と講演者の略歴を載せたBGMガイドをご覧になるには、WANOの会員用ウェブサイトに入ってください。そこでは2015 BGMでのプレゼンテーションと講演も見ることができます。

WANO公開ウェブサイトでは、WANOレビュー2015を見ることができます。12のPFCプロジェクトの概要とWANOの新長期計画、コンパス、についての情報が掲載されており、中国語、仏語、独語、日本語、韓国語、露語、スペイン語に翻訳されています。