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WANOがオルキルオト原子力発電所の「原子力専門家リーダーシッププログラム」を支援


TVOのHR・コミュニケーション・訓練担当シニア・バイス・プレジデントを務めるJaana Isotalo氏が、人員の士気を高め、プラントパフォーマンスを向上させるべく、WANOとどのように協力しているのかを説明してくれました。

WANOとの協働はいくつかのフェーズと異なるトピックから構成されます。これらはすべて有益かつ生産性のあるものでしたが、簡単にはいかないものもありました。「ぬるま湯から素晴らしいものは生まれない」という言葉があります。成功のためなら、慣れないことにも対応していかなければなりません。

2010年から2015年のTVOの運転・事業環境についてお話させてください。
•            電気価格が大幅に下落し、民間企業であるTVOは大きな影響を受けた。
•            TVOは大きな訴訟に関与しており、オルキルオト3号機プロジェクトは計画通りに進んでいなかった。こうした状況のため、プラントの協力企業はサイトを離れてしまい、プロジェクトの資金繰りにおける課題に直面した。
•            オルキルオト3号機プロジェクトでの問題により、オルキルオト4号機プロジェクトは中止していた。
•            財政面での困難から大規模な組織変更を余儀なくされ、2015年、協力会社と社員の数を削減した。
•            こういった変更により、社内の安全文化指標や社員の満足度が低下し、多くの社員が会社や原子力産業界から離れていった。
 
そんな時、WANOの皆さんがこの変化を目にして、当社が抱えていた懸念事項を共有してくれました。当社には外部からの支援が必要であると気付きました。取り組みを支援してくれたWANOには大変感謝しています。
 
要改善事項として特定されたのが、リーダーシップでした。WANO代表者は、世界中の原子力プラントを支援し、Action for Excellenceの下でリーダーシップのパフォーマンスを改善する上で中心的な役割を果たしてくださる方々です。当社発電所もその恩恵を受けました。
 
WANOは当社に経験豊富なWANO代表者を割り当て、この方が約3年にわたり支援してくれました。この方のおかげでさまざまなワークショップ、訓練、メンタリングを開催することができました。例えば、「原子力安全におけるリーダーの役割」というテーマで当社にぴったりのワークショップを開催しました。 さらに、フィンランド、スウェーデン、オランダにある3箇所の原子力発電所とのメンバー・サポート・ミッションにも参加しました。
 
当社の取り組みはまだ続きます。他のWANO会員の皆さんに当社の教訓を共有させてください。学んだことの一つとして、国の文化がリーダーシップ育成に与える影響を理解できたことが挙げられます。WANOが特定した要改善事項の一つに、管理層の期待事項が掲げられていないというものがありました。
 
文書や壁に掲示されているポスターに目をやるだけで、管理層の期待事項が掲げられていると主張していました。しかしながら、これらはただの文字、単語、文章です。そのため、日常や組織的文化の一部とはなっていませんでした。
 
WANOワークショップにおいて、フィンランドの文化における管理層の期待事項に対する見解が完全に間違っていることに気付きました。フィンランドでは、すべの組織が対等です。従って、何か影響を及ぼしたければ、コミュニケーションの中で個人的な見解を持っていなければなりません。これは、「原子力専門家に必要な5つの特性」および「原子力専門家リーダーシッププログラム」を策定するための最初の一歩となりました。非常に大きな影響があった小さな変化でした。

教訓から学び、改善した結果、
  • 今では社員の満足度は非常に高く、社内の安全文化指標も過去最高となった。
  • 過去4年間で社員の数も250人増え、現在では約1,050人となった。
  • フィンランドにおける原子力容認の割合が過去最高となった。
  • 財務状況も安定した。
  • オルキルオト1号機と2号機は順調に運転しており、オルキルオト3号機はグリッドに接続され、発電を開始している。
 
すべてのWANO会員に、WANOとそのサービスを利用するよう薦めたいと思います。オープンで透明性のある情報共有と弱点について積極的に議論する姿勢は、成長する上で大事な要素です。WANOがいつも言っているように、「経験から学べ。あなた自身が経験になるのではなくて」ということです。