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ブルース・パワー社はエクセレンス達成に向けて常に改善事項を模索


Inside WANO掲載の本記事は、京都で開かれたWANO 発電所長会議でのJim Ross氏による出向に関するスピーチを元にしています。 

WANOの「原子力のエクセレンスを目指すユニティ」戦略は、エクセレンスに向けたブルース・パワー社の道のりおよび継続的改善を醸成する企業として実施してきた歩みと非常に似通っています。

カナダで唯一の民間原子力発電事業者として、当社はオンタリオ州の電力の約30%を発電しており、安全で信頼できる、炭素を排出しない電力を手頃な価格で提供しています。また、8基ある原子炉のうち6基を改修中で、今後数十年間にわたりクリーンなエネルギーを供給できるようにしているほか、世界のヘルスケアコミュニティに向けて抗がん医療用放射性同位体を生産しています。  

2019年、ブルース・パワー本社および発電所のパフォーマンスは、引き続き「強い」と評価されました。 発電所パフォーマンスを改善することで安全性を高めることができると認識した結果、ブルース・パワー社の管理層は改めて集中的にエクセレンス追求に取り組むことを決めました。

この取り組みを開始するにあたって、大きな組織的変更が2点行われました。 ブルース・パワー社はGOAL組織(G:ガバナンス、O:オーバーサイト、A:評価、L:学習)と機器パフォーマンス部門を新たに設置しました。 この変更は、本店による強力なガバナンス、監督、支援といった機能により、発電所パフォーマンスを加速させていくことを目的に設計されました。

また、当社は新しいエクセレンスモデルを導入し、以下の共通目標に向けて、価値、振る舞い、共通するツールを中心に組織の有効性の方向性を設定しました。安全で信頼できる、確実な明日チームとリーダーたちはこのモデルを用いてエクセレンスを推進しています。

現在、ブルース・パワー社の全体的なコーポレートパフォーマンスは模範的であり、通常のモニタリングを受けています。  さらに重要な点として、パフォーマンス改善は社内の安全、信頼性、発電、財務指標の多くにメリットをもたらしています。

2019年のWANO本社レビューでは、アカウンタビリティモデルに矛盾が生じていることが重大な要改善事項(AFI)として指摘されました。このことは、エクセレンスを維持する上で必要なチームワークを促進させる本社アカウンタビリティモデルを調整してパフォーマンス上の不備に対処する必要があることを示していました。

全てのレベルにおいてアカウンタビリティを定義し、推進していくことで、安全パフォーマンス目標を達成し、事業計画目標に到達し、長期的な問題を解消しやすくなります。 はしごの各段は、望む結果を達成する上で個人、リーダー、チームが体現しなければならないアカウンタビリティを表しています。一段を完了すると次の段が現れ、高品質で効率的な発電とより良い事業結果の実現に近づきます。

また、標準的振る舞いと比較してリーダーのパフォーマンスを評価するために、パフォーマンスレビューで用いる「共通の望まれる振る舞い」も改訂しました。 これには、INPO 19-003「Staying on Top(トップであり続ける)」に概説されている価値と振る舞いを実践するためのステップが含まれていました。 さらに、プログラム、手順書、慣行といった管理システムも簡素化しました。  

標準を策定したことから、ブルース・パワー社はパフォーマンスの評価方法を改善する必要がありました。内部における一連の主要パフォーマンス指標をレビューして改め、WANOとのパートナーシップも大幅に向上しました。

当社の主要パフォーマンス指標は産業界の指標と一致しており、他事業者のベンチマーキングを実施することで、ピアやエクセレンス目標と比較して自分たちの現在の立ち位置をより明確に描くことができています。

継続的改善は、当社エクセレンスモデルの中核です。 例えば、単一脆弱点(SPV)の排除という点においては、当社は産業界から遅れをとっているということに気付きました。 SPVを排除または緩和できないと、発電所運転におけるリスクとなります。 優れた計画策定により、多くのSPVを特定・排除できたほか、発電所を不要な過渡状態に陥るリスクを軽減することができました。

もう1つのフォーカスエリアは、発電所の資材状況を改善して機器信頼性を向上できるよう、保修バックログを減らすことです。2023年末までに保修バックログを80%低減することを目標としています。

トップであり続けるためには、堅牢かつ継続したオーバーサイトが必要です。  上級管理層、ライン管理層、オーバーサイト組織は、是正措置が必要なパフォーマンスギャップを特定し、是正措置の有効性をモニタリングし、必要があれば上層部へと問題を上申しています。

オーバーサイトを利用すること、そしてサポートや支援がもたらしてくれることを学びました。 率直かつ正直な反省によって、重大で影響の大きい恐れのある事象が発生する前にパフォーマンスの劣化を早期に特定し、食い止めることができます。

当社は才能あふれる人員を惹きつけ、育て、引き留めるために数多くの施策を講じています。  学校や学術機関とパートナーシップを結び、関係を構築しています。 リーダーシップ育成でメインとなるのは、責任あるリーダーシッププログラムです。ブルース・パワー社では700人以上のリーダーがこのプログラムを修了しています。

ブルース・パワー社では、「当社の成功は産業界の成功の上に築かれるものであり、当社の未来は原子力に対する約束と支援の上に成り立つのだ」ということを理解しています。  ブルース・パワー社のみならず世界中の原子炉を高いレベルのエクセレンスで運転し続けなくてはなりません。

そしてこれは保証されているものではありません。 原子力エネルギーのメリットを100%実現するには、世界中で最高のパフォーマンスを維持することが必要不可欠です。