若年世代：最高水準へのパスポート

2019年2月18日にパリで開催された2019 WANO若年世代交換会議は、大変な成功を収めました。私はこの会議を開会する歓びを味わうとともに、若年世代を支援していくことがWANOの使命を達成してくために極めて重要であるとの認識を強める機会にもなりました。

若年世代イニシアチブでは、将来のリーダーたちが、自分たちの仲間の国際的な視野を活用して、自分たちの考え方を広げるのに役立つような国際的なネットワークを構築する機会を提供します。

30以上の国々で450基以上のプラントの発電を行ってきた世代の多くの人たちが間もなく現役を退いていくことになります。このような状況を念頭におくと、原子力界の将来において若年世代がいかに重要であるかがすぐにわかります。会議の開会セッションで、参加者の職歴が紹介される中で、私はいくつかの重要な話題を見つけました。


·       グループの多様性：例えば、ますます多くの女性が原子力界でベテランのリーダーになっていることは明らかでした。このことは我々に大きな機会を与えてくれます－我々が原子力発電の安全性と信頼性を高めていくために、それぞれが異なるように考え、異なる視点でものを見て、新しいアプローチを取る機会となるのです。
 
·       仕事と生活のバランスの重要性：多くの参加者が、仕事と家庭生活の適切なバランスを見つけたいと願っていることを表明しました。仕事と生活の適切なバランスを達成することで、我々の将来のリーダーたちはよりよく実践し、ストレスを管理できるのです－特に、運転上の難しい課題に対処していく際に。

しかし、最も重要なテーマは、参加者たちの原子力安全に対する必死の取り組みに関する議論でした。原子力のリーダーたちは、原子力の業界がほかにはない特殊な課題を抱えていることを理解しなければなりません。我々は、異なることは悪いことではないことを受け入れるとともに、情報の交換や最高の事例に追随していけるように疑問に思う姿勢を維持していくべきなのです。原子力界のリーダーたちが、最高水準のパフォーマンスを達成するために、人々を奮い立たせ、指導し、影響を与えていくことを通じて、最高水準を定義し、高めていかなければならないことに対しては、幅広い合意が得られています。そして、WANOで働くことによって、若年世代は原子力界でのネットワークを活用して、商用原子力発電における運転安全の最高水準を追い求めていくことができるのです。

我々は、経験豊富な熟練者と若年世代の間で知識の継承を推進していくことに全力を傾けています。例えば、WANOパリセンターでは、出向者の10％以上が若年世代となるようにするという方針を立てています。我々は彼らの進捗状況を見守り、特別のWANO‘パスポート’を使って最高水準への道のりを追跡しています。このパスポートは、彼らが原子力安全における次世代の業界のリーダーに育っていく過程を記録していきます。

彼らの技能を育成することにより、我々は彼らを成功へと導きます。我々はこれからの何ヶ月、何年にもわたってこの活動を通じてより多くの若いリーダーたちを支援していくことを期待しています。


ジョン・ポール・ジョリ

WANOパリセンター