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パフォーマンスの理解向上のためにePMをいち早く導入したアルメニア


アルメニア原子力発電所はV-270型(第1世代のV-230型の耐震補強モデル)のロシア型加圧水型原子炉(WWER-440)2基により構成されています。発電所の運転寿命延長のために2016年から段階的な設備近代化工事を実施しています。定期検査の長期化と一次回路の設備の多数工事により、WANO 指標の低下は避けられず、現在の指標は73.9になっています。

2020年12月にWANOモスクワセンターのカウンターパートとアルメニア発電所を運営するHAEK CJSC管理部門との間で会議が開催されました。その結果、当社はWANO と業界による「Action for Excellence(AfE)」イニシアチブの下で、「より強力なパフォーマンスモニタリング(ePM)」の試験と組織診断に参加することに合意しました。

当社はWANOと共同でePM計画を作成しました。そして、発電所とWANOで専門家がパイロット活動に着手することがその中に盛り込まれました。モスクワセンターではePMの手法とePMで使用する指標についてのトレーニングを受けました。ePM指標のためのデータ管理手順とePMのデータ転送経路を規定しました。特にプロセスの導入とモスクワセンターとの調整では、WANO代表者は当社を手厚く支援してくれました。

ePM指標の計算に関する作業はプラントで行われました。2021年の各四半期末に指標計算の担当者が会議を開き、ePM指標の数値を発表し、分析と議論を行いました。ePM指標計算アルゴリズムに何カ所か誤りを発見し、WANOにフィードバックを提供しました。合議制によるレビュー会議が4回開催され、モニタリング結果に基づいて支援策が3つ提案されました。そのうちの2つはすでに実施されています。

パイロットにはつきものですが、すべてがスムーズに運んだわけではありませんでした。発電所でこれまで使用されたことのないePM指標も中には存在しました。足りない指標もあれば、手法やソフトウェアの欠如により主観的分析に基づく推定値もありました。報告される事象に関する情報の提供が遅かったり、暫定的な報告だったりしたことが多かったために、発電所のモニタリングや支援に関する決定が難航したこともありました。さらにコロナ禍による制限により、機能分野の専門家が発電所を直接訪問することができず、また発電所では運転寿命延長の工事を集中的に行っていたため、専門家と直接のオンライン連絡はできず、すべてのやり取りはWANO代表者を介したオンライン連絡でした。

このため、ギャップ、原因、未解決の懸念事項(AOC)に対するアクションは前回のピアレビュー結果に基づく繰り返しの情報でした。その結果、この状況での遠隔によるePMは本来ほどの効果は得られませんでした。こうした課題を克服するために、今後、WANO専門家が直接、物理的にアルメニア発電所を訪問することが必要です。

パイロット発電所の結果分析後、WANOモスクワセンターは加盟している発電所の運転状態に適合させるためのePMの調整について指南してくれる予定です。新しい発電所も徐々にこのプロセスに関与する予定です。

最後になりますが、業界のパフィーマンス改善イニシアチブにおける主要ツールとして、当発電所はePMに前向きな立場であることを伝えたいと思います。各地域センターのためのePMプロセス調整だけでなく、各会員のためのePMプロセス調整も検討することが重要です。

アルメニア原子力発電所では、今日のパフォーマンスを昨日のパフォーマンスと比較し、そこから明日のパフォーマンスを予想するのが正しいやり方です。ePMのゴールとメリットはそこにあります。当社は今後もePMを自社のプロセスに取り入れ、プラントのパフォーマンスを高めていけることを楽しみにしています。

メツァモール原子力発電所の主任技術者であるArtur Grigoryan